矢車草 (番外編)



(この記事は、去る11月20日にお届けした記事を再編集したものです。今一度、『矢車草』を聴いていただきたくて。)



11月24日、寒さが身に染みるようになった栃木も既に11月下旬。

皆さまの地方も寒さが感じられるようになってきていますでしょうか? 

あとひと月でクリスマス、そして、お正月。そんなことを考えるから、12月(師走)はあっと言う間に過ぎ去ってしまうのですね。その12月まで、あと1週間余り。何故か、この1週間がとても重要に思えてなりません。慌しい 12月、そしてお正月が来る前に、腰を据えて取り組めるのは、この11月なのではないかと。




さて、そんな心なしか、寂しさを感じる11月24日に、皆さまにお届けしたいのは「矢車草」という曲です。




矢車草

矢車草




この曲は、天地真理さんの17枚目のシングルで、1976年4月21日の発売です。

1976年4月と言えば、真理さんの長期休養が始まる同じ年の12月まで8ヶ月余り。ライブ活動に専念され、真理さんの体が悲鳴を上げ始めていた頃かと思います。




さて、まずは植物としての「矢車草」について、少しだけ考察してみます。

ものの本によれば、この植物には、次のような解説がございます。



・雪の下(ゆきのした)科。
・学名 Rodgersia podophylla
Rodgersia : ヤグルマソウ属
podophylla : 柄のある葉をもつ
Rodgersia(ロジャージア)は、アメリカの海軍士官「Rodgers さん」が函館で当属植物を採集したのを記念して命名。

・深山の湿り気のあるところに生える。
・5つに裂けた形の大きい葉っぱが目立つ。 柏 の葉に似ている。
・6~7月頃、小さい白い花が密生して咲く。
・葉っぱの並びが、端午の節句の鯉のぼりの一番上のところでくるくる回っている「矢車」に似ているところから。
・「矢車草」は「矢車菊」の別名でもあるが、矢車菊は全く別の花。




葉っぱの様子はこんな感じです。まさに、こいのぼりの矢車に似ていますね。

矢車草 葉


花の様子はこんな感じです。余り派手でない、可憐な花です。

矢車草 花





作詩:岩谷時子
作曲:筒美京平
編曲:森岡賢一郎

あの人はもういない 矢車の花は咲いたけど
逢いたくて逢いたくて 裸足で駆けた私

誰にも分からない 悲しい恋は
ふたりの若い命でした
矢車の花一つ シャツに留めてあげたけど

あの人は帰らない 矢車の花は揺れるけど
もう一度もう一度 あの日の愛が欲しい

二度とはできない きれいな恋は
短い夏の命でした
矢車の花一つ シャツに留めてあげたけど

愛して別れた 恋の寂しさ
心に染みて 辛いばかり
矢車の花一つ シャツに留めてあげたけど
シャツに留めてあげたけど 



さてさて、こんな「矢車草」が何故、この曲の題名になったかですが、この花の夏期が6月から7月、恐らくこの季節に、避暑地で出会った二人に愛が芽生え、短期間のうちに燃え上がった。でもそれは「二度と出来ないきれいな恋」そうであれば尚更に、忘れられない。一年後に、同じ矢車草を見ながら思い出している、そんな情景でしょうか?


作詞の岩谷時子さん、真理さんのデビュー時から真理さんに詩を提供して下さっていますが、この1976年には続けて二度に渡ってご提供下さっていますね。頑張っている真理さんを応援して下さっていたのでしょうね。




それでは、この「矢車草」を、1976年6月に発売された真理さんの12枚目のオリジナルアルバム「私は天地真理」のB面の最後に収められているライブ版で、しかもアンコールに応えて、生伴奏なしのギター弾き語りでの歌唱をお聴きいただきましょう。

拍手で呼び出された天地真理さん。恐らく、プログラムにはアンコールの予定は無かったのでしょうか、ギター1本を持って再登場した真理さんに「真理ちゃん」コールが鳴り止みます。そして「今、頑張っている矢車草を歌います」 この時、観客の中からひとり、真理さんの隣でマイクを持つ役目の男性が選び出されます。この人は何と幸運なのでしょう。憎らしい限りです。

通常は、ワンコーラスで我慢していただく、このコーナーですが、この弾き語りに関しては、全曲歌われていますので、省略するにも不自然なので、全てお送りします。微妙な観客のお声までも、耳を澄ませば聞き取ることができますよ。どうぞ。

[矢車草ライブ]

 []





お聴きになり、如何でしたでしょう? 

既に人気の下り坂を降り始めた真理さん。この曲が収められているLPでさえ、5千枚程度の売上であったそうです。本当に「頑張っている」姿が目に浮かびます。

体は絶好調ではなかったこの時期ですが、声の調子は素晴らしく、ギターの伴奏が聴き取れないほどの大声量でした。途中、割れんばかりの声量にハッとする部分があります。この声を今でも残してあげたかった、そして今も歌わせてあげたかった。後悔は尽きません。


この「矢車草」という曲は、シングル版では、演歌調で始まりますが、それはそれとしていいのですが、私はこのギターの弾き語りが好きです。ハミングで始まるあの歌い口が何とも言えなく好きなのです。「真理さん、頑張って下さい」そう、叫びたい心境です。









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No title

 賛同頂き有り難うございます。結果的に深夜までネット検索作業をさせることになってしまったようで、恐縮してます。
 矢車菊の花言葉は「繊細」「信頼」でしたか。この花言葉もステージ上でひとり(この際、脇でマイクを支えている男性は無視!ですネ)切々と歌いあげる真理さんのイメージに重なるようです。
 スリーピーさんのブログを拝見していると、曲の好み、感じ方など私と共通点が多いように感じていました。こちらこそよろしくお願いします。

Re: 矢車草について

遅れてやってきた天地真理ファンさん、こんばんは。

あなたの説にガッテンです。書き込みを読ませていただき、頭をガーンと殴られるような衝撃を受けました。早速、ネットで調べ始め、約1時間没頭する内に、数ある花言葉の解説の中から、あなたの仰る説と同じ内容の解説と、bachelor's button の意味を見つけました。なるほど、岩谷さんは「矢車菊」の伝説の意味を踏まえて、この歌詞を書かれたんですね。実際、矢車菊はカフスボタンの代わりに使えるようですし、衿元に付ける習慣もあったようです。「繊細」「信頼」といった意味の花言葉として使われ、古代には魔除けの意味もあったとのことで、ひと夏に恋に落ちた女性が、相手の男性に対し、向こう一年間、悪い虫が付かずに再び会えることを祈って「シャツに留める」という行為に至ったと想像されます。

歌詞の深い意味と、静かに始まり、真理さんの高音でクライマックスを迎える抑揚の大きなメロディーとが組み合わさって、この「矢車草」という曲は、素晴らしい、印象深い仕上がりとなっただと思います。

この度のアドバイス、誠に有難うございました。いつの日か「矢車菊」として、記事の訂正をさせていただきます。今後ともよろしくお願いします。

矢車草について

初めてお便りします。
遅れてやってきた天地真理ファンです。いつも記事を楽しく拝見ていますが、矢車草について参考になればと思い、私の勝手な解釈をお伝えしたくなってキーボードをたたいています。
 矢車草はやはり矢車菊のことではないかと思っています。花の時期はほぼ同じですが、引用された本家「矢車草」の白い花ではあまりに地味すぎて歌の内容とどうもしっくり来ないのです。ここはやはりブルーの美しい矢車菊(通称ヤグルマソウ)であってほしいと思っています。
 作詞者の岩谷時子さんにでもお尋ねしなければ分からないことではありますが、実は、岩谷さんは「矢車菊」説を裏付ける内容をちゃんと歌詞に込められていると思うのです。それは「シャツに留めてあげたけど」という部分です。矢車菊は英語でbachelor's button(若い独身男性のボタン)という別名を持ち、ヨーロッパかアメリカか分かりませんが民間伝承で、恋をしている若い男性が矢車菊の花を胸に付け、その青い色が早く失せたらその恋は成就しない、という言い伝えがあるそうです。まさにこの歌にぴったりの話ではありませんか。
 シングル版の歌謡曲っぽいアレンジもそれなりに良いのですが、私はギター弾き語りのライブ版のほうが、凛としたブルーの矢車菊のイメージと「頑張っている天地真理」がダブってなんだか悲しくなるような美しさを感じて好きです。 それにしても、天地真理のマイクスタンドになれた人は、何と幸運なんでしょうか。
 
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