FM 軽井沢 2014.03.15 第77回




【 通算377号 】

2014年3月20日(木)




「雨ニモマケズ/風ニモマケズ」で始まる『雨ニモマケズ』は、岩手県出身の詩人、童話作家として知られる宮沢賢治の有名な詩です。その他に有名な作品と言えば、


『注文の多い料理店』(1924年)
『雨ニモマケズ』(1931年)
『銀河鉄道の夜』(1933年)
『風の又三郎』(1934年)

などがありますね。

Miyazawa_Kenji.jpg




さて、何故ここで宮沢賢治を採り上げるのかと言えば、きっかけはFM軽井沢の番組「軽井沢朗読散歩」で彼の作品群を朗読で聴かされたからです。

先に有名、有名と彼を賞しましたが、残念なことに私は彼についてほとんど知りませんでした。「雨にも負けず、風にも負けず」は宮沢賢治の代名詞のように聞かされますが、宮沢という人は一体どういう人物であったのか、などと考えながらもこれまで深く知らないまま、この年齢まで達してしまいました。

知るは一時の恥と申します。私の年で宮沢賢治について深く知ることは恥ずかしいことではありますが、これを機に彼について知りたい、しかしながら書物では文語体で読みづらく取っ付き難くて、なかなかその気になれなかったこの私をすんなりと彼の世界へ導いてくれた「軽井沢朗読散歩」を楽しみに録音して、一気に拝聴することが出来ました。

クリップボード03




というきっかけで、宮沢賢治の作品を耳から楽しく聴いたスリーピーでしたが、この限られた紙面で彼を語るなど、余りにも大それて、物理的にも無理があります。そこで彼を知りたいと思った理由を挙げて、少し整理してみたいと思うのです。

1.東日本大震災に絡んで彼の生き様が語られるのは何故なのだろう?
2.50歳を越えた私の年齢では、いわゆる勝ち組、負け組の差が歴然として来ます。そんな時、賢治の生き様が参考になります。
3.賢治の童話、詩の世界と、彼の実際の人物像の違いは?
4.単純に賢治の作品を読んでいると楽しい、それは何故か?

等々でした。


正月の祝いを兼ねたある宴会の席で、同じ組合の10名ほどが集まった席での主な話題と言えば、身近にいる成功した人の話や、消費税増税の話、等々で、身近な話題が多く、政治や経済といった難しい話には及びません。そんな話題の中で若くて出世した人物と、落ちぶれた人物が引き合いに出されて「誰々は立派だ。それに比べて誰々は」という人物比べが横行しますが、私はそんな話題が嫌いで、聞かない振りをして平然と静かにジュースを口に運んでいます(残念ながら、スリーピーは酒に弱いのです)。

それは自分自身が負け組の一人なので、そんな話題の度に落ち込んでしまうからなのですが、そんな時に宮沢賢治の『雨ニモマケズ』の一説が脳裏に浮かびます。そうだ、自分の生き様は賢治のそれに似ている、だから負け組なんだ、と自分を慰めるのです。

ただ、そうは思いながらも、実際にあの詩に書かれたような人物は存在していたのだろうか、宮沢賢治という人物はあの詩の通りの人物だったのだろうか、と疑問に思ったのも事実で、それが今回の記事のテーマのひとつになります。


1.彼が岩手県に生まれた1896年には、三陸地震津波による震災が発生しています。そして、1933年に37歳の若さで亡くなった年には三陸沖地震で多くの被害が出ました。また、彼の両親の家業は質屋であったため「農民がこの地域を繰り返し襲った冷害などによる凶作で生活が困窮するたびに家財道具などを売って当座の生活費に充てる姿にたびたび接し、この体験がのちの賢治の人格形成に大きな影響をもたらしたとされている」とあります。彼の作品が天候や気温、災害にその多くが触れているのは、このような経緯によるもののようです。

2.賢治は盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)に首席で進学するほどの頭脳明快な優秀な人物でした。

3.実際の宮沢賢治という人間について、Wikipedia には「賢治が飲酒や喫煙をしていたこともあるという証言も踏まえた上で、賢治の名高い菜食主義は生涯を通じてのものではなく、時には平気で肉食をしたことや、すすめられれば盃も手にしたとあり、賢治を論ずるのに、『一日に玄コメ4合』だの『生涯を通じての菜食主義』だのといった話をもち出す必要はない」という記述があります。これより『雨ニモマケズ』に書かれている人物像は、

サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

という締めくくりで終わっているように、賢治の理想を書いたものであるようです。

4.私が最も面白く、深く気に入ったのは彼の作品の中のひとつ『グスコーブドリの伝記』でした。この作品は一言で言ってしまえば、冷害による飢饉に苦しむ東北の地「イーハトーブ=岩手県」の農民を、火山爆発による温室効果により救うまでの道筋を、主人公・ブドリの成長過程と共に物語として記したもの、と言えると思います。私が農家を今も営んでいるが故に、興味を持ったのも確かですが、今でこそ活発に論議されている、CO2による温室効果や、当時は実現していなかった潮汐発電所など、執筆された1932年(昭和7年)にはとても目新しい内容であったはずです。




以上、なかなかまとまらないままですが、宮沢賢治の作品群の大きさからして、まとめようにも膨大過ぎる、という理由で、この辺でペンを置きたいと思います。

スリーピーの結論としますと「人生の負け組の私が目指せるものの一つに『雨ニモマケズ』的な生き方もあるのかな」という自分への慰めでした。長々と失礼致しました。









それでは、本日の本題「天地真理ミュージック・コレクション」の第77回の再放送をお届けします。



今回は「天地真理さんご自身の選曲」というテーマで、7枚目のシングル『恋する夏の日』が、そして、蔵出しコレクションのコーナーでは、12枚目のアルバム『私は天地真理』から「春の風が吹いていたら」がそれぞれ掛かりました。


それではどうぞ。








お聴きいただき、如何でしたでしょう?

「恋する夏の日」での振り付けでステップを踏むシーンですが、どの部分のことをお話されているのか、この動画をご覧になれば少し分かるかもしれません。Marin0323さんの作品です。




振り付けは何れにしましても、この時期の真理さんの笑顔は記録に残したいものがありますね。






今回お届けしました「恋する夏の日」と「春の風が吹いていたら」については、このブログでも過去に記事として採り上げ、解説をさせていただきました。お時間の許す方は是非こちらにもお越し下さい。

下の青い文字をクリックしていただくとジャンプします。


2011.01.01 恋する夏の日


2012.04.29 春の風が吹いていたら

* 記事作成から4年余の歳月を経て、Youtube から消え失せた動画が目立ちますが、それも一つの歴史・経過ではないかと思います。敢えてそのままにしてあります。ご了承下さい。




なお、このブログ「もの想う季節」では、天地真理さんのオリジナルアルバムに収録された全ての曲について触れて参りました。その内容は、HP「癒しの天地真理」からお入りになるのが容易かと思います。

よろしければ下の青い文字をクリックしていただき「天地真理・オリジナルアルバム全作品一覧」をご参照下さい。

癒しの天地真理











さて次回は「天地真理ミュージック・コレクション」第78回の再放送をお届けする予定です。

それでは皆さま、どうか気長に気長にお待ち下さい。














にほんブログ村 音楽ブログ 女性ミュージシャン応援へ
にほんブログ25日

コメントの投稿

非公開コメント

Re: 宮澤賢治について

銀河鉄道のジョバンニ さん、こんばんは

ご投稿いただき、誠に有難うございます。

宮澤賢治に関するご意見、有難く読ませていただきました。最初に強調しておきたいのは、私は決して宮澤賢治をそして彼の作品を批判しているのではなく、逆に好意的に高く評価しているということです。記事の中に「勝ち組負け組」という言葉が頻繁に登場したために誤解を与えてしまったのであれば申し訳なく思っております。

人間、50を越える頃には、自分の行く末を考えるようになります。賢治のように生前は無名に近くとも死して名を残す人もいます。私より少し年配の方々が上場企業を退職して、有り余る退職金で高級車を車庫に置き、真新しい農業機械で本来採算の取れない米作りを道楽の如く、しかも鼻高々に行っている姿を見るとき、何か違っているな、と感じる私でした。それは負け組(またこの言葉で済みません)のヒガミではあるのですが、そんな時、冷害に苦しむ岩手で農民のために尽力しようとした賢治が気になった次第です。

中古の機械を安価に手に入れ、低コストで零細農業を継続しつつ、地域のために何か出来ないものか?そんなことを考える時、賢治の精神が心の拠り所となるのです。生前没後に無名であっても、私の子孫にとっては胸を張れる存在になりたいものだ、そんなことを考えながら記事を書きました。

花巻ですか?行ってみたいものですね。平泉、気仙沼までは行ったことがありますが、.... 近い将来の楽しみにさせていただきます。

ご来訪、有難うございました。

宮澤賢治について

スリーピーさん。いつもお世話になっています。FM軽井沢の録音、時々聞き逃しがあり、その都度聴かせていただいております。また、大変失礼ながらあなたの蔵出しの真理さん画像を、マイブログやYouTube投稿作品に、毎回お断りするのが筋でしょうが、怠惰にご連絡もせずに引用させていただいております。まことにありがとうございます。今回、宮沢賢治の件ですが、小生、岩手県(かまいし)の出身で、ただ今、仙台在住ですが、子供のころから慣れ親しんでいるため、岩手の純で大きな自然と宮澤賢治さんの作品が大好きな中年(56才)です。私は会社員(建設コンサルタント)で、大震災の復興にも微力ながら関係した仕事をしていますが、「雨にも負けず・・・」の評価にちょっと気になったところがあります。「雨にも負けずは・・・」は岩手では子どもの頃から学校で朗読しますし、宗教(法華経)を信仰していた賢治が身を投げ打って農民のみんなのためになりたいとして書いた遺書ともいえるもの。崇高な内容で、経済的な勝ち組負け組に関係するものではないと思います。スリーピーさんのように、献身的に真理さんのため、真理さんファンのため、そして真理さんの歌で元気になってほしい日本のどこかの誰かのため、FM軽井沢の録音公開を続けている・・・そういう献身的な人になりたいと願う歌です。宮澤賢治作品もご自身も、もっと高く評価していただきたく、駄文ですが、書き込みました。出来れば賢治の生誕地「花巻」へおいでください。目からうろこが取れると思います。今後も、よろしくお願いします。ホントに!
プロフィール

スリーピー

Author:スリーピー
真理さんを応援するブログへようこそ!

真理さんは、私の姉のよう。
私はそんな おっちょこちょいな姉を想う、おせっかいな弟かな。

このブログでは、皆さんと彼女の真価をお伝えして参ります。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード